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執筆者の写真浩一 横田

子どもの貧困など社会活動に当事者として取り組む(審査委員応援メッセージ)

審査委員の池本です。


いよいよ「大学生による中高生のためのSDGs/サスティナビリティアワード(以下SASS2020)」の募集が始まりました。全国で多くの中高生がSDGsをテーマに学び、映像作品の形で表現し、つながっていくことに今からとても期待しています。

SDGs(持続可能な開発目標)は 国連サミットで決めた約束事ではありますが、すべての国が同じことを取り組むわけではありません。それぞれの実情に沿って取り組みを行います。しかし、基本として押さえておかなければならないことが5つあります。

普遍性 先進国を含め、全ての国が行動

包摂性 人間の安全保障の理念を反映し「誰一人取り残さない」

参画型 全てのステークホルダーが役割を

統合性 社会・経済・環境に統合的に取り組む

透明性 定期的にフォローアップ

この中で、SASS2020は特に3つ目にある「参画型」に大きく貢献する試みだと私は感じました。国が決めたことを行政や経済界や労働界、メディアなどが学生たちの知らないところで勝手に進めていくのでは、多くの人たちを取り残してしまうでしょう。大学生が企画し、中高生が作品作りを通じて、SDGsにコミットすることは日本国内のみならず、他国にとっても参考になる取り組みとなると思います。

参画型のポイントとしては、日本政府は『SDGsアクションプラン2020』を策定し、以下の3つの柱を設けました。

I.ビジネスとイノベーション~SDGsと連動する「Society5.0」の推進~

Ⅱ.SDGsを原動力とした地方創生,強靱かつ環境に優しい魅力的なまちづくり

Ⅲ.SDGsの担い手としての次世代・女性のエンパワーメント

この柱に沿って、既存の行政や産官学は動き始めています。皆さんが住む地域の中で、それらを調べ参画することなども一つの方法かもしれません。さらに、地域の課題を見つめると、国が定めた3つ柱の柱には含まれないが、皆さんにとってとても大事な課題を発見するかもしれません。実はその課題に取り組むことが本当の意味での「参画型」となります。

私の場合、現在3人の子どもを持つ親で、核家族化が進展し、子供を育てる環境が厳しくなっていることを肌身に感じているのですが、そのこともあり、報道で幼い子供たちが親に虐待を受け、ひどい場合は命を失っている現実にこの数年心を痛めるようになりました。一方で、虐待死は昔からあり、自分が親になるまで日々流れてくる報道に向き合ってこなかったことや世の中の無関心を改めて直視することになりました。

私は現在NPOや生協、労働組合、ワーカーズ、社会的企業などと連携し社会課題解決に取り組む団体を応援する公益社団法人ユニバーサル志縁センターという中間支援組織を運営しているのですが、2015年にこの虐待の問題を含め子どもの貧困について団体内で議論を重ね、2017年から首都圏若者サポートネットワークという児童養護施設や里親など、なんらかの事情があって「社会的養護」と呼ばれる公的な支援のもとで育った子ども・若者たちが、社会のなかでみずからの力を発揮して生きていくことを応援する民間のネットワークを立ち上げました。




社会的養護のもとで暮らす子供たちの多くは虐待を経験しており、現在の社会的養護関連の制度は不十分で、児童養護施設などを巣立ったあともすぐに戻れる居場所がなく、新型コロナで仕事を失い生活が厳しくなったり、虐待のトラウマで苦しんでいる人が大勢います。

そのような若者に寄り添って時間やお金等を持ち出しで支援している伴走支援者に対する助成を行うために首都圏若者サポートネットワークは「若者おうえん基金」を設け現在クラウドファンディングを行っています。


私も皆さんも、社会を構成する市民であり、それぞれがSDGsを実践する当事者です。

皆さんが暮らす地域ごとのリアリティある課題を今回のコンテストを通じて、社会に発信していくことで、我が国のSDGsを一緒に進化させていきましょう。


池本修悟

公益社団法人ユニバーサル​志縁センター専務理事

1978年生。大阪府豊中市出身。2003年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。NPOの事業サポートや社会活動を行う人たちのネットワーク化など様々な社会事業に取り組む。


https://www.facebook.com/shugo.ikemoto

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