2030年の金沢をIMAGINEするSDGsカフェ。その第7回目は、「地球の未来をリデザインする会」との共同主催で、気候変動をテーマに『市民一人ひとりは何ができるか?』を話し合いました。会場には60名以上の人が集まり、ディスカッションには、地球の未来をリデザインする会の代表・奥圭奈子さんだけでなく、金沢大学河内幾帆(こうちいくほ)さん、「金沢エコライフくらぶ」代表の青海万里子さんが加わりました。本記事はSDGsカフェ第7回目を中心に取り上げ、中高生向けにわかりやすく伝えていきたいと思います。
まず、第7回目のSDGsカフェの目的から紹介します。目的は、コミュニティで気候変動に関する啓発活動を行う上で、必要な知識、課題等を学び、社会へ発信する方法を教える、です。気候変動は規模が大きく、専門的な内容でもあるので、どうすれば私たちにとって身近なものにできるのか、それが主なテーマになりました。
さて気候変動に関する議論ですが、主催者である国連大学OUIK事務局長の永井さんから、SDGsやカフェの趣旨を説明した後、奥さんが2030年の金沢をイマジンしました。そもそも奥さんは、身近に感じにくいSDGsや気候変動に対して何か行動ができないか考え、“つながり”を意識した地球の未来をリデザインする会を立ち上げたそうです。
続いて、河内さんが元アメリカ副大統領のアル・ゴア氏から学んだ環境問題に立ち向かう術、に議論は移りました。ゴア氏は気候変動問題に対して、その影響がはっきりと確認される前から啓発活動を行っていた人物で、東京で同問題について学ぶイベントを開催しました。そのイベントに参加した河内さん曰く、気候変動を語るうえで3つの質問に答えなければならないそうです。質問は「変化が必要か、変化が可能か、その変化を起こすか」です。河内さんはそれぞれの質問に対して、まず毎年“記録的な猛暑“と発表される現状、海水温の上昇により台風が起こりやすくなっていることを踏まえ、変化は必要だと述べました。続いて「変化が可能か」という問いに対しては、再生可能エネルギーで全ての電力を補うことが技術的に可能となりつつあることに触れ、可能だと答えました。そして最後の問いには、世界中の国、そして世界中にいる一人ひとりがみんなで考えなければならない問題であると語り、将来、学生からどのように気候変動問題を解決したのか、と聞かれるために「いま私ができることをしたい」と述べました。
では地域でできることは何か、という論点に議論は移ります。青海さんから様々な活動が一丸となって、大きなチームとして取り組むにはどうすれば良いか、問題提起がなされました。会場からは地域でエネルギーの転換が行えるようにみんなで働きかけることが重要ではないか、地元の企業が一般消費者と協力してSDGsに取り組む必要がある、省エネを徹底して一人当たりの二酸化炭素の排出量を減らすように努めるなど、活発に議論が行われました。また、気候変動のような大きな問題に取り組む基盤として、“自分は変えることができる”と思える子どもたちを育てていきたい、という意見も出ました。
最後に社会から賛同を得るのに、個人ができることは何か、という議論になりました。青海さんは、「今はSNSの情報発信力を活かして、徐々に理解を得ていく動きにしやすい」と発言し、河内さんは個人の行動は周囲に伝わることに触れ、「“自分の行動が他の人に影響を与えるんだ“という意識でやっていけばいい」と述べました。
「気候変動のような問題には個人の力は小さいかもしれませんが、変えていきましょう」
永井さんの呼びかけに会場は大きな拍手で応え、SDGsカフェ第7回は終了しました。
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